多摩地域を中心に活動する劇団onepuckの『ジプシー』を観てきました

たまりば編集長こぐま(ジェイ・ライン株式会社 大熊雅樹)

2018年11月24日 21:00

高幡不動駅のそばにある日野市・七生公会堂で、『ジプシー』という演劇を観てきました。

多摩地域を中心に活動する劇団onepuckの公演で、演出は「たまりば」でもブログを書いている友人の朝比奈ちゃん、そして我が家の奥さんと娘も出演、息子は受付などスタッフとして参加。

2日間の公演の今日が最終日、ほぼ毎週末、稽古に通い続けた集大成です。

onepuck本公演
「ジプシー 千の輪の切り株の上の物語」

■STORY
――物に縛られて動けなくなるか、何も持たずに自由でいるか――
ある都会の真夜中。一組の若夫婦が工事中のマンションの現場に忍び込む。
完成を待ち切れず、自分たちが買った新しい家を見にきたのだ。
然しそこには、すでにジプシーの大家族が住み着いていて………生と死、家族と個人、出会いと旅立ち。
綿々と受け継がれた生命の繰り返しが、その一室で行われようとしていた。

戯言Ⅱから引用)


元は森だった場所でマンション工事が始まり、その一室をマイホームとして購入した夫婦と、そこで数日間の雨宿りを望む流浪の民たちが、互いの価値観をぶつけ合う。

「契約者だから、真面目に働いてようやく購入したマイホームなのだから、この場所は自分のものだ」と主張する夫婦と、「もともと自分たちが毎年訪れる森だった場所だから、一時の雨やどりくらいさせてくれ」と訴えるジプシー。

どっちの言い分が正しいんだろう?
そりゃ、法律上は前者なんだけど、後者の意見は正当性がないかというとそんなことはない。

流浪の民たちは、目的地なく気候や家族の体調などによって暮らす場所を変えて生きる。
1つの場所に留まるのではなく、そのときそのとき最適な地に移り住む。

「鳥だったってほんとう?」
アユという、ジプシーの女の子役で出演した我が家の娘が発した台詞がこの物語を象徴していたように感じました。

このマンション工事に携わる1人の男性は、もとは鳥だったのだという。
そして、ジプシーたちも、どうやら正体は鳥みたい。
自由に空を飛び、暮らしやすい場所を求めて移動しながら生きる渡り鳥の群れ。

そうか、だから飛ぶことができなくなったおじいちゃん鳥や、母に抱かれる赤子たちのために、休息できる場所が必要だったんだね。


今夜、2日間の公演を終えたジプシーたちは打ち上げ…その場で発表があるのかもしれないけど、きっと来年も劇団onepuckは新作を公演してくれることでしょう。
うちの家族は登場するのか?
もしや、ついに息子も舞台デビューするんでしょうか!?

身内が出演する機会がなければ、なかなか演劇の世界には眼が向かなかったと思うので、楽しみを与えてくれたonepuckの皆さん、朝比奈ちゃん、家族に感謝です。

今後のonepuckの活動も応援してまーす。


・戯言Ⅱ
・onepuckホームページ
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